この記事では、「となりのトトロ」のポスターに登場する少女と主人公のサツキとメイに関するトリビアを解説していきます!
■ポスターの女の子はいったい何者?
となりのトトロのポスターを良く見てみると、メイでもサツキでも無い、劇中に登場しない人物が描かれている。この女の子は誰?と疑問を感じた人も多くいるのではないだろうか。
宮崎駿監督によると、当初は本作品を絵本にするつもりで、元々は人間とトトロ族の戦いの話であった。
太古の昔、人間とトトロ族が戦ってトトロ族が負け、現代の所沢にトトロ族の末裔がひょこっと顔を出した話の予定であったとされる。
その後、イメージボードと企画書を東京ムービーに提出し、テレビスペシャルなどへの採用を模索していたとされているが、結局、この企画は通る事は無かった。
初期イメージボードの段階では、主人公は1人となっており、メイに似た容姿をした5歳の女の子で、サツキとメイのデザインと性格が混在していた。
この初期構想の少女が描かれた絵が、劇場パンフレットの他、小説版の表紙カバーなどの様々な媒体に採用されている。女の子のイメージの一部は、宮崎がAプロダクションに在籍した時に設定や演出に参加した「パンダコパンダ」からも採られているとされている。
■主人公をサツキとメイのふたりにした理由
当初、主人公の女の子は1人であったが、何故サツキとメイという2人の主人公が誕生したのだろうか。宮崎駿監督がイメージボードに描いた段階では、主人公は初期通り1人となっており、女の子がトトロと出会う2つの場面(雨のバス停と昼間の家の庭)をどうするかを悩んでいたという。
本作品の映画化が決定する約1年前、主人公を2人の姉妹にして、それぞれが別の場面でトトロと出会う事を思いつき、主人公が2人となったとされている。
そして、中編劇場アニメーション作品として書いた本作品の企画書で、サツキ(小学3年生)とメイ(5歳)が主人公として設定されている。
■映画ポスターに「サツキとメイ」とトトロを並ばせるのは違うと思った
本作品で記憶に残るシーンというと、トトロとサツキとメイが雨のバス停で出会うシーンではないだろうか。劇場公開時のポスターは、本編同様にサツキとメイがトトロと並ぶ図案が検討されていたという。
しかし、デザイン上の都合でメイとサツキでは上手く描けなかった為、初期イメージの女の子がトトロと雨降りのバス停に立っているイラストが使用される事となった。
本来ならば主人公であるサツキとメイをポスターに描きたかったが、初期イメージの女の子は、容姿がメイ、服装はサツキのものとして残されており、サツキとメイを表す上で都合が良かったのではないだろうか。