登場シーンは短いながらも、多くのファンに対して強烈なインパクトを与えたのが渚カヲルです。
どこかミステリアスな彼ですが、目的や真意が気になるところです。この記事では、渚カヲルの正体について、TVアニメ版と新劇場版の両方についてまとめていきます。
渚カヲルについて(性格など)

漫画において当初、子猫をこのままでは苦しんむだけで生きていけないと言い、殺してしまう。彼に人としての感情は欠如していました。
しかし、シンジのレイに対する行動によって人間らしい感情を持つようになる。旧劇場版では心に深く傷を負ったシンジの側に寄り添い魅了していく。シンジは性別を超えて好意を抱いてしまいます。
新劇場版においては、ネルフで落ち込むシンジにピアノに誘ったり悩みをきいたりと人当たりが非常に良く、シンジが信頼を寄せる人物となりました。
共通していることは、どの作品においても静かにシンジに近づき、このストーリーの大事な部分を伝える役を担うキャラです。
笑みを浮かべ,柔らかなイメージが多い彼だが発言する内容、話し方などから子供らしさを感じません。
人と距離をとってしまうシンジが一番初めに心を開いて好意を寄せた相手もカヲルだった。しかしどういう理由であれシンジから得た信頼を失わざる終えない可哀想なところもありました。
渚カヲルの正体
セカンドインパクトと同じ年に生まれたとされるミステリアスな少年。制御不能となったアスカの代わりエヴァンゲリオンに乗るために登場します。
レイと同じ赤い瞳を持ち、グレイの髪を持つ美少年とされるいるがその正体は最後の使徒ダブリスである。ゼーレによって人の体にアダムの魂を送り込んだことによって作られた人工の使徒であり、
そのため他の使徒とは違いパワーや特殊な技こそないがATフィールドを持ちエヴァを操ることができます。
彼の目的はアダムの体と合体することされていたが実際向かった先、セントラルドグマにいたのはリリスであったため、ゼーレの目的が彼によるサードインパクトではない、自分の死こそが目的だと悟り、あっさり初号機による死を受け入れます。
有名な交響曲第九番を鼻歌で歌っていたりシンジとピアノを弾いたりと趣味は音楽だと分かります。
また彼の名前渚カヲルには意味があり非常に面白い。渚はシ者と字を分けて読むと彼が使者又は死者。これは使徒であることが分かります。
カヲルは五十音順で1文字ずらすとオワリとなることにより最後であることが分かる。つまり最後の使徒と言葉遊びで作られた名前でもあります。
渚カヲル司令とは?
シン・エヴァンゲリオンの劇中では、「司令」と呼ばれていました。その根拠については、具体的には明かされていなかったように思います。
ツイッターを見ていると、使途側の司令だったと言われていますが・・・
「渚司令」について。
まず前提として、「渚カヲル」は可能性の数だけ無数に存在。思念は全個体で共有。
ゼーレよりも上位の存在として、旧世界の記憶を基に「死海文書」「裏死海文書」などを残してきた。
加治リョウジはゼーレとネルフの二重スパイ。なのでカヲルのことを「渚司令」と呼んでいた。
— シンエヴァの解釈について語りたい (@Pt684Bs5Y1M8aHy) March 8, 2021
渚司令がいまいち飲み込めてないんだけど、ゼーレの長が渚カヲル本体で、アダムやタブリスの魂は道具ってことやんね?カヲルくんが生命の書を書く権限があるってことはそう言うことなのでは。カヲルくんがシンジくんを愛していたのかアダムがシンジくんを愛していたのかは定かではない。
— ネタバレ懺悔ちゃん🕊🌿 (@gomihako_shoot) March 9, 2021
渚司令の考察
シンエヴァは人が三位一体へと至る福音書。
三位とは父と子と精霊。それが一体であるという教え。父=ゲンドウ
子=シンジ
精霊=アダムの魂それらが三位一体へと至った姿が、
渚カヲル司令だった。— パワーマン (@ungm6074) March 9, 2021
庵野監督はシンエヴァで渚カヲルに自身を投影していたのでは…
やり直した世界でシンジと自分を救いたかった。司令と呼ばれていた事に対しても作品制作の司令官=監督と考えれば辻褄が合う。
シンエヴァで庵野監督がやった事はキャラクター達への贖罪なのではなかろうか— ryo (@ryot8972) March 10, 2021
新劇場版でのエピソード
新劇場版序、破共に月から様子を伺っていたカヲル。新劇場版Qでカヲルはシンジに接触をします。
ネルフに対抗する組織ヴィレで目を覚まし、何が起こっているのか、レイは大丈夫なのかと問うシンジに冷たいヴィレのメンバー。
カヲルはシンジにニア・サードインパクトが起こった世界を見せて現実を伝えた最初の人物である。レイを助けようとネルフに来て落ち込むシンジにピアノを弾かないかと誘うカヲル。
つかみどころのない彼の存在に戸惑うシンジ。しかし、2人はピアノの連奏を通して心を通わせる。特にシンジは自分を理解してくれる存在を見つけたことにより信頼を寄せます。
シンジは、自分がサードインパクトを起こそうとしたこと、レイを助けれなかったことに絶望し第13号機に乗ることも拒んでいました。
しかしカヲルはシンジに取り付けられていたDSSチョーカーを自分の首へつける。そして「2人でリリンの希望になろう」という言葉とで勇気づけることでシンジはカヲルと第13号機に乗り、ロンギヌスの槍、カシウスの槍と共にセントラルドグマへ向かいます。
セントラドグマとカヲルのワードシンジにとっていいことが起きるはずはないとファンなら分かること。
案の定、アスカとマリのの攻撃を防ぎながら降り立った先にいたものは第12使徒でありゲンドウに嵌められます。
第13号機は覚醒し、新たにフォースインパクトが起きそうになるところ、DDSチョーカーが作動して死んでしまう。しかし彼は泣きじゃくるシンジにまた会えると告げるのでした。
渚カヲルの目的とは?
彼の目的はシンジと親密になることそして、ネルフ奥に安置されているというアダムの体との融合です。これはカヲルというよりかはゼーレがカヲルのために用意した目的です。
最後の使徒である第十七使徒ダブリスと呼ばれているカヲル。カヲルの体は人間であり、魂は全使徒の源となる第一使徒であるアダムのものを持っています。
シンジは自分と親しい友人であると思っていたカヲルに対して裏切られたと激怒し、カヲルの操る弐号機と戦うことになります。
セントラルドグマに到着した時、カヲルは磔にされたアダムではなくリリスを見つけ、ゼーレによって嵌められたことを理解します。
そして、初号機を操るシンジによって殺されることこそゼーレの真の目的だということがわかります。
シンジに未来を託したエピソード
セントラルドグマにいるアダムとの融合する義務を受けたカヲルはシンジ操るエヴァ初号機と戦いますが、実際セントラルドグマにいたのがリリスであり自分はゼーレに嵌められたことが分かります。
ゼーレは初号機を使い人類補完計画を完成させたかったのです。人類補完計画においてシンジが生きている場合、シンジの自我は邪魔になります。そこでシンジにカヲルを会わせて親しくさせ、シンジ自ら殺すことで彼の精神崩壊を狙っていました。
使徒であるカヲルは人の心を理解は出来ませんが、シンジとの出会いや交流を通して彼の中で好意という気持ちが芽生えます。アダムの魂を持つカヲルは自分たちのの存続ではなく人、特にシンジの未来のために死を選びました。
ループ説について考察!
渚カヲルは新劇場版シリーズにて意味深なセリフを残していました。以下、「序」「破」「Q」にて発していたセリフです。
- 序 「また3番目」
「逢えるときが楽しみ」
- 破 「さあ約束の時だ、碇シンジ君 今度こそ君だけは 幸せにしてみせるよ」
- Q 「ごめん、これは君の望む幸せではなかった」
「縁が君を導くだろう」
「また会えるよ、シンジ君」
ネットでも散々言われていますが、カヲルにはループ説があって、既に何度かシンジと会っていることを意味していたのか?または、クローンが複数いて記憶を共有していたのか?という疑問が生まれていました。
実際には生き返ったりループしていたわけではなく、記憶内の世界(精神世界)のなかで制を繰り返していたものと思われます。
そもそも、新劇場版シリーズはテレビアニメ版や旧劇場版のループ後の世界や、パラレルワールドの世界なのではないかと言われていました。
また、ずっと暗闇とも言えるエヴァが存在する世界の中で苦悩し続けてきたシンジが、シンエヴァンゲリオンのラストではエヴァの居ない世界にたどり着けたということを踏まえると、本人も気づかないままにループしていたのかなとも考えられますし、
ループから抜け出すには、シンジ自身が前向きに成長していくことが求められていたのではないかと個人的には思います。だから、シンエヴァンゲリオンでは父・ゲンドウとも決別できるようになったし、綾波に拘り続けていた想いも断ち切ることができたのではないかと予想します。
その結果、ある意味同じように歳を重ねる事ができなかったマリを選んで、一歩進んだということを結末では語っていたのではないかと。
また、ループしていたのは作品の中だけではなく、現実世界の私たちに向けても「お前ら、大人になれよ」という庵野監督なりのメッセージも込められていたように思います。
要は、レイは元をたどればシンジの母親のクローンにあたると思われるので、彼女のことを思い続けるほど親離れができていないことも考えられるわけで、そこから離れてマリを選んだというのは、レイを想い続けていたというループからも脱却できた証にもなるだろうし、エヴァンゲリオン=レイという幻想から突き放したかったのではないかと思うわけです・・・
渚カヲルの2つの名言について解説
「僕は君に会うために生まれてきたのかもしれない」
体は人間でありながら、魂はアダムであるため感情は基本的にありません。しかし、初めてシンジに会い、シンジのレイへの好意を見て人の感情を理解しようとします。
男が女に抱く好意を彼は、男女関係なく好意というものを抱くのではないかと考え、好意とは何かをシンジに尋ねるシーンが非常に多いです。
カヲルが初めて感情というものを持ち、その感情の一つ好意を彼に植え付けたシンジは、彼にとって特別な存在で唯一無二の存在です。哲学的な彼の性格を考えると分かりやすいようで理解しづらい告白だと言えます。
「ありがとう 君に会えて 嬉しかったよ」
シンジにと親密にすることが任務だと分かっていながらもシンジに対して特別な感情を抱いてしまったカヲル。
しかし、実際シンジは辛い時に心を開いて打ち解け合える友達に裏切られたと激しくショックを受けてしまいます。
元々心が空っぽな使徒であるカヲルが、これほどにも惹かれてしまいますが、自分の魂は死でも生でも自由であると述べます。
そしてアダムではなく、人であるシンジの幸せを願い自分は死を選びます。
彼がシンジに会えたことを本当に嬉しく思い、感謝を述べている気持ちがよく伝わるセリフです。
渚カヲルの声優は石田彰!
渚カヲルを演じた声優さんは、石田彰さんです。銀魂「桂小太郎」や鬼滅の刃「猗窩座」といった役柄を演じています。
その他、
- 「まじっく快斗」や「名探偵コナン」:白馬探
- 「NANA」:シン
- 「7SEEDS」:守宮ちまき
といったような二枚目キャラを演じる機会が多い方です。
カヲルのミステリアスな雰囲気を見事に醸しだしていて、シンジではなく、まるで自分に話しかけてきているのかと錯覚してしまうほどの演技には脱帽でした!