徳永りえが出勤する中、神妙な面持ちで船越慶一郎が葬式へと向かう。亡くなったのは、斉藤ゆりという弁護士で、かつて船越と柳沢慎三が取り合った人物であった。船越と柳沢が新人研修の頃、担当した事件で出会い、年齢が近い事もあり意気投合していた。
噂では2人は、ゆりにのアピール合戦をしており、どちらと付き合ったかについてはわからずにいた。この5年後、3人は意外な形で再会を果たす事となる。当時、捜査一課で一緒だった船越と柳沢は、ある事件でと名取悠が言いかける中、徳永の携帯が鳴り、話が中断されてしまう。
捜査一課から、新たな考察の依頼であった。先月から都内で発生している5件の◯人事件について、犯人の目的を考察して欲しいとの依頼であった。捜査一課は5件の◯人事件を同一犯によるものだと考えていた。
当初、それぞれの事件は被害者同士に接点は無く、殺害方法がバラバラだった為、同一犯の可能性は薄いと考えられていた。しかし、ここに来て同一犯による可能性が高まっていた。◯人事件が発生した、それぞれの所轄宛に被害者の写真が送られて来ていたのだ。
シリアルキラーの話となった途端、西村まさ雄の目が輝き、シリアルキラーについて説明を始める。シリアルキラーにはいろんなタイプがあり、幻想型、使命型、パワーコントロール、快楽型などに分類されていた。
しかし、現段階では今回の事件の犯人が、どれに当てはまるかわからずにいた。そこで被害者の共通点についてを探る。会社経営者の長谷部慎は、自宅付近で撲殺されていた。タレントの卵の芝井美月は、ジョギング中に襲われて絞殺されていた。
商社マンの祖父江聖人は、新宿で◯◯をされていた。飲食店経営者の安曇敬介は、店の中で毒殺されていた。学生の佐多優哉は、自宅付近で◯◯されていた。
そんな中、各写真にラテン語のgula、invidia、luxuria、ira、pigritiaが書かれている事がわかる。訳すと暴食、嫉妬、色欲、憤怒、怠惰となり、七つの大罪と同じものであった。七つの大罪とは、キリスト教における7つで構成される、死に至る罪の総称の事であった。
この事から後2人犠牲者が出る可能性が出てくる。残っているのは傲慢と強欲の2つであった。所轄に確認すると新たに2人の被害者の写真が送られてくる。
医師の藤原誠一郎は、品川区の自宅で死亡。写真には傲慢を意味するラテン語が書かれていた。もう一つは、強欲を意味するラテン語が書かれていたが、身元不明となっていた。
被害者について調べると、それぞれに裏の顔がある事がわかり、法で裁けない人間を犯人が処罰した可能性が出てくる。
そんな中、違法薬物供給の裏ネットワークの記事に被害者達と似た人物の写真が掲載されていた事がわかる。葬儀を終えた船越が被害者の写真を見る中、特徴から身元不明の遺体が、ゆりである事に気づく。病死だと聞かされていた船越は、驚いた表情を見せる。
そんな中、ゆりの死亡診断書を書いた人物が、被害者の1人藤原である事がわかる。藤原は、ゆりの主治医で、ゆりは藤原の顧問弁護士という接点が見つかる。
そんな中、船越は、七つの事件が同一犯によるものでは無く、1つだけ別の犯人によるものだと考える。5つの事件の犯人は藤原で、余命僅かだった事もあり、妙な正義感によって法で裁けない連中を次々と◯◯していた。藤原の◯◯に関しては、本人より◯◯であった。
そして、ゆりの◯◯については、ゆり自身によるものであった。所轄に写真を送りつけたのはゆりで、藤原とゆりは男女の関係にあった。藤原は、七つの大罪の意識は無く、ゆりにより、作り上げられた物だった。
ゆりがこの様な事をしたのは、自身のせいで加害者の娘というレッテルを貼られた娘を救う為であった。自身を被害者とする事で、加害者から被害者の娘へと世間の目を向けさせる狙いがあった。
娘が母親の死を知った際、既に火葬が終わっており、母親の遺体とは対面していない事がわかる。この事からゆりが自身を死んだように見せかけ、どこかで生きている可能性が出てくる。船越と柳沢は、姿無きゆりに思いを馳せるのだった。